子供の人形から大人も夢中になる人形へ。「ブライスドール」とは?
ブライスドールというドールをご存知でしょうか。
ブライスドールとは、大きな頭、大きな瞳が特徴のファッションドールです。
少し眠そうな特徴的な瞳や、大きな頭に細いボディをもつブライスドールを
一度目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
この記事では、
大人も魅了してやまない「ブライスドール」の魅力や種類についてご紹介いたします。
ブライスドールについて知りたい方や、興味がある方の参考になれば幸いです。
ブライスドールとは?
「ブライスドール」とは
アメリカのケナー社が1972年に発売した着せ替え人形のシリーズです。
ブライスドールは服を着替えて着せ替え人形として楽しんだり、
目の大きさやメイクなどをカスタムすることができ、
ファッションドールとして楽しめる人形で、
現在でも続く人気のファッションドールのブランドとなっています。
ブライスドールは大きな頭部に細いボディという特徴的な外観をしていて、
瞳も大きくアニメキャラクターのようなデフォルメされた
デザインで子供にも親しみやすいドールです。
頭部背面のアイギミックにより瞳の色を変えたり、瞳を動かすことが可能となっていて、
目線を外したり、目線を合わせたりなどの表情付けができます。
2001年からは日本の大手玩具メーカー「タカラトミー」からレプリカの
「ネオブライス」が販売され、日本のみでなく世界中で人気となり話題を呼びました。
ブライスドールは様々な企業とのコラボモデルや現在では手に入れることが
非常に困難なレアモデルなどもあり、収集家も存在しているファッションドールです。
ブライスドールの誕生とブレイクのきっかけ
ここではブライスドールが誕生し、
ブレイクするに至るきっかけとなった出来事などをご紹介します。
初代ブライスドールの誕生
ブライスドールは1972年にアリソン・キャツマンがデザインを手掛け、
ケリー社が販売したファッションドールです。
デフォルメされた大きな頭と大きな瞳、瞳を動かすことが可能なアイギミックなど
多数の特徴を持った人形として発売されましたが、ブライスドールは販売当初、
あまり人気の振るわないファッションドールでした。
「目が怖い」「頭が大きくて気持ちが悪い」など、
その個性的なビジュアルが当時はあまり支持されず、
たったの1年間で製造が打ち切られたというエピソードがあります。
しかし現在ではこの初代ブライスドールは非常にレアなモデルとして、
コレクターの間で高値で取引される幻の逸品となっています。
ブライスドールは初代のものからほぼ完成されたデザインとなっていて、
現在に至るまで大幅なデザイン変更が行われていないのも大きな特徴です。
2001年パルコのCMモデル起用でブームに
ブライスは発売からわずか1年で生産が中止され長い沈黙を保ってきましたが、
2000年にニューヨークの写真家であるジーナ・ガランが、
ドールコレクターに紹介されたブライス人形のファッショナブルな姿に魅了され、
ブライスの写真集を発売します。
この写真集はアメリカで話題となり、
ブライスドールと写真集はドールコレクターたちを中心に一躍人気となりました。
そして翌年の2001年、ジュンコ・ウォングがブライスを
パルコのCMモデルに起用したことから、日本で一躍ブライスブームに火が付きます。
ブライスドールは2001年にクロス・ワールド・コネクションズ(以下CWC)監修の元、
タカラトミーがレプリカモデルを販売するようになり、名前も「ネオブライス」と一新し、
ターゲットを大人の女性へと変更して販売されるようになりました。
ネオブライスの熱狂は日本国内だけにとどまらず、
本場であるアメリカを含む各国で話題となり、
アメリカでもアシュトンドレイクから復刻版を販売するなど人気を博していきます。
ネオブライスは価格も1万円前後の大人向けコンセプトの人形として路線を固め、
低価格帯にはサイズダウンしたプチブライスや、
食玩のブライスベルなどを展開し幅広い層に支持されるファッションドールとなりました。
プーリップ、ブラッツなどの登場
ネオブライスの人気を受けて、1/6サイズのドール業界では
ボディサイズに対して頭が大きめの人形が数多くリリースされていきます。
「プーリップ」や「ブラッツ」などはその影響を特に感じられる、
頭のサイズが大きめのデフォルメされたデザインが特徴のドールです。
リカちゃん人形と並んで有名な「バービー人形」も
2005年に頭のサイズを大きくしており、
これもネオブライスの人気の影響があってのものだといわれています。
ブライスドールの魅力
誕生したときから変わらぬデザインのブライスドールには、
女性たちを魅了するポイントがたくさんあります。
ここではブライスドールの魅力について、主なものをまとめてみました。
数々の限定モデルがある
ネオブライスはパルコのCMキャラクターへの起用から人気に火が付きました。
2001年に1000体限定で発売された「パルコリミテッド・エディション」以外にも、
ブライスドールには様々な限定モデルが存在します。
ファッションドールとして一躍有名となったブライスドールはaxes femmeなどの
ファッションブランドやツモリチサトデザインとのコラボ、
ハローキティやマイメロディといったサンリオとのコラボや、
初音ミク、新世紀エヴァンゲリオンなどのアニメコラボなど数多くのコラボドールを販売してきました。
どれもコラボ元のディティールを活かしつつも、
ブライスドールの特徴的なフェイスに絶妙にアレンジされた人気のアイテムです。
リカちゃん人形と同じボディで服の着回しが可能
ブライスドールは同じくタカラトミーから発売されている世界的にも有名な人形
「リカちゃん人形」と共通のボディを使用しています。
そのため、リカちゃん人形の着せ替え服をそのままブライスドールに使用することが可能です。
リカちゃん人形とは等身や表情が全く違うため、
同じ衣装でも別の印象で楽しむことができます。
もちろん、ブライスドールが着ている服をリカちゃん人形に着せ替えることも可能です。
メイクや瞳などを自由にカスタムして自分だけのブライスドールを作る
ブライスドールが人気である理由の一つに、自由なカスタムを楽しめる点があります。
服を着替えるだけでなく、上級者ともなれば肌をマットにしたり、瞳の色を入れ替えたり、
ぱっちり目やトロ目などアイホールをカスタムしたり、好きなメイクを施したりなど、
カスタムの方向性は様々です。
ジーナ・ガランの写真集でも数々のカスタムされたブライスドールたちが映し出されており、
ブライスドールとカスタムメイドは切っても切れない関係であるといえます。
ブライスドールのカスタムは初心者には難しいため、個人でオーダーメイドを受け付けているところもあります。
生産数が少ない
ブライスドールは一つ一つのドールを大切にして欲しいとの思いから、
生産数が少なく、新作は常に争奪戦となるほどの人気の商品です。
その希少性から、お目当てのブライスをお迎えする喜びもひとしおで、人気の秘訣の一つとなっています。
ブライスドールの種類
ここではブライスドールの種類についてご紹介いたします。
ヴィンテージブライス
ヴィンテージブライスはネオブライス以前に発売されていたブライスのシリーズのことを指します。
1972年にアメリカのケナー社で作られたブライスがいわゆる初代ブライスドールで、
現存していればコレクター間ではかなりの高額で取引されている商品です。
髪色は赤毛、ブロンド、ブルネット、ブラックの4色があります。
美品なら数十万円もの値が付くプレミアアイテムです。
ヴィンテージブライスは日本にも輸出されており、
「まほうのひとみアイアイちゃん」という商品名でトミーから販売されていましたが、
こちらも当時は支持されず、わずか一年ほどで廃盤となっています。
ケナー社オリジナルのものとはドレスとパッケージが違うという特徴があります。
ヴィンテージブライスは欧州にも輸出していました。
パリトイ版は日本版とは違いケナー社のヴィンテージブライスとほぼ同一の衣装を纏っていたようです。
ネオブライス(レプリカ )
2001年から現在まで販売されているのが、
タカラトミー社から販売されている「ネオブライス」です。
デザインも初代ヴィンテージブライスを踏襲し、
サイズはヴィンテージブライスと同一の28cmとなっています。
後頭部の紐を操作すると瞳の色が変わるというブライス独自のギミックも完全に再現しており、
グリーン、ブルー、ピンク、オレンジの4種のアイカラーを楽しめます。
1ヶ月ごとに1~2体というかなりのハイペースで新作をリリースするのも特徴で、
2019年現在までに約260種類ものネオブライスが販売されています。
2001年から2019年現在に至るまで、
大幅なデザイン変更はないものの細かなマイナーチェンジが行われており、
初期のものと後期のものとでは仕様や外観が異なるものも存在しています。
ネオブライスとパルコやサンリオなどのコラボ商品や、
ネオブライスのアニバーサリーモデルなどは
通常のものと瞳の色が違うなどの差別化が行われているのも特徴の一つです。
プチブライス
「プチブライス」は2002年に登場したネオブライスのミニモデルで、
約11.2cmの小型サイズのブライスドールです。
瞳の色が変化するギミックはありませんが、
横向きにすると瞼が下りるという仕掛けが施されています。
プチブライスにもネオブライスと同じように、コラボモデルやアニバーサリー仕様のものが存在します。
ブライス(復刻版)
2004年~2008年の間に、ヴィンテージブライスの復刻版が販売されました。
パッケージやドレスのデザインなどはヴィンテージブライスを忠実に再現していますが、
ドール本体のボディなどの仕様は一新されており、より遊びやすいものとなっています。
ミディブライス
ネオブライスとプチブライスの中間サイズとして販売されたのが、このミディブライスです。
ミディブライスは2010年9月から販売されており、
2019年までに35種類がラインナップされています。
ヴィンテージのブライスやネオブライスとは違った柔らかい印象のフェイスが特徴で、
可愛らしく幼い雰囲気のデザインが今までブライスドールを持っていなかったユーザーにも人気となりました。
ネオブライスのモデル一覧
ネオブライスは2001年から現在に至るまで、顔の形や口と鼻との間など、細かいマイナーチェンジを行っています。
顔の形はエクセレント、スペリオール、ラディエンス、フェアレストという
4種で分類されていますが、ブライスファンの間では更に細分化して分類されています。
ここではネオブライスに焦点を絞り、その種類についてご紹介させていただきます。
ネオブライス 初期
ネオブライスの初期は、後に発売されるエクセレントと同じ顔型となっており、
ネオブライスを販売しているタカラトミー社のリカちゃんのボディを流用していました。
瞳は瞼が上がっている傾向にあり、白目の割合が多く取られているのが特徴です。
エクセレント
エクセレントは、ケリー社が発売したヴィンテージブライスドールの型を復刻し、
リカちゃんのボディ流用からエクセレントボディへと移行したモデルです。
初期~エクセレントの間にはリカちゃんボディのエクセレントモデルが存在します。
エクセレント(後期)
後期のエクセレントは、瞳の白目部分が乳白色になっていたり、まつ毛の部分が
後に発売されるスペリオールと同じく密集したデザインとなっていたりするなど、
スペリオールへの過渡期といえる特徴を持ったデザインのブライスとなっています。
スペリオール
スペリオールはヴィンテージブライスに基づいた顔型を使用しており、
白目の割合も多いことからも
ヴィンテージブライスへのリスペクトが見られるモデルであるといえます。
下がり気味の瞼と密集したまつ毛のデザインもスペリオールの特徴です。
瞳は少し小さめで、丸みのあるほっぺが可愛らしいモデルとなっています。
ラディエンス
ラディエンスもスペリオールと同じくヴィンテージブライスを強く意識したフェイスが特徴で、スペリオールのブラッシュアップ版といえるモデルです。
スペリオールと比較してアイホールが大きく取られ、
ヴィンテージブライスを模して左右のアイホールには大きさの差を付けてあります。
口元もヴィンテージブライスに寄せてデザインされており、
スペリオールでふっくらとしていた頬とは対照的に
顎のラインがシャープに仕上げてあるのが特徴です。
フェアレスト
フェアレストはエクセレントを彷彿とさせるモデルです。
最大の特徴はマットタイプの質感の肌で、
瞳もこれまでのモデルより黒目がちな印象となっています。
ラディエンスより目が丸く、小さい印象で、頬の膨らみやリップなどにも個性があります。
ラディエンス+
ラディエンス+はラディエンスの改良型といえるモデルで、
見た目はほぼラディエンスを踏襲したモデルとなります。
ラディエンスとのパーツの互換性もあり、
ラディエンスを持っていた人ならより遊びの幅が広がるモデルです。
ラディエンスリニュー
ラディエンスリニューはラディエンスを下地としたモデルですが、
リニューアルモデルとなっており以前のものとのパーツの互換性はなくなっています。
ブライスドールを通した活動
ブライスドールは、2002年から毎年「世界にひとつだけのブライス」というチャリティオークションを開催しています。
チャリティオークションに使われるブライスは有名ブランドや有名キャラクターを模しており、その収益を様々な寄付に当てています。
ブライスのチャリティ活動は、東日本大震災時のこども支援にも活用されました。
★さらに詳しく!!こちらもチェック★
ホビー TOPページ
ドール TOPページ
ブライスドール TOPページ
フィギュア・プラモデルもお手入れについて
おもちゃもお手入れについて
子供へのクリスマスプレゼント特集