2022.1.30
コラム
column
ライター： 瑠璃椿
売るのも買うのも今！モードの女帝「YSL イヴ・サンローラン」
みなさんは、「イヴ・サンローラン」についてご存じですか？
コスメやバッグ、財布などが有名で、女性なら1つは手にしたことがあるというブランドではないでしょうか。
洗練されたおしゃれな印象があり、かっこいいブランドイメージがありますが、
その歴史や、クリスチャン・ディオールとの関係性を知っている方は少ないかもしれません。
そこでこの記事では、イヴ・サンローランの魅力について、詳しく解説していきます。
目次
「YSL」の歴史
「YSL（イヴ・サンローラン）」の歴史は、
1962年にイヴ・サンローランという男性が自身のレーベルを
「イヴ・サンローラン（YSL）」として設立したことが始まりです。
有名ブランドには、100年以上の歴史のあるブランドも多い中で、
まだブランド創立から60年程度という比較的新しいブランドと言えるでしょう。
しかし、そのブランド力は、他の歴史あるブランドと比較しても見劣りせず、知名度や人気に定評があるため、新しいブランドというのは意外だと感じる人も多いのではないでしょうか。
「YSL」ブランドの創立
イヴ・サンローランのブランドの創立には、イヴ・サンローラン以外にも、
イヴの恋人の芸術後援者である「ピエール・べルジェ」、
アメリカの実業家「マック・ロビンソン」が加わり、3人で創立したと言われています。
創業から、イヴ・サンローランというブランドとして、
オートクチュールメゾンを設けたことが、ブランドの歴史の始まりでした。
当時のイヴ・サンローランのデザイナー「カサンドラ」が制作した
「YSL」の象徴的なロゴマークはとても有名です。
イヴ・サンローランというブランド名を聞くと、「YSL」のロゴマークを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
プレタポルテラインの誕生
その後、1966年にパリに「イヴ・サンローラン リヴ・ゴーシュ」というイヴ・サンローランのオートクチュールラインを派生させた「プレタポルテ（既製服）」のラインのブティックをオープンさせます。ここで、イヴ・サンローランのブランド力は増していくこととなりました。
オートクチュールメゾンでは、
富裕層しか楽しむことのできない値段の服しか取り扱いがなかったため、
一般層はイヴ・サンローランの服を手に取ることが難しかったのですが、
「イヴ・サンローラン・リヴ・ゴーシュ」というプレタポルテ（既製服）ラインが登場したことで、
一般層でもイヴ・サンローランを楽しむことができるようになったのです。
今の私たちが、イヴ・サンローランの製品を楽しめるきっかけとなった出来事といえるかもしれません。
現在でも「イヴ・サンローラン（リヴ・ゴーシュ）」は
アパレル商品を取り扱う場合に使用されており、
コスメなどを展開している「イヴ・サンローラン・ボーテ」と分けて表記されています。
創業者イヴ・サン=ローランとは
創業者のイヴ・サン=ローランとは、1936年にアルジェリアで生まれた男性です。
裕福な家庭で育ち、父は映画館を経営していたことで芸術に触れる機会に恵まれていたのかもしれません。
イヴは17歳になったときに、ファッションデザイナー養成校に入学します。
パリのオートクチュール組合が運営する
「パリ・クチュール組合学校 (エコール・ド・ラ・シャンブル・サンディカル・ド・ラ・クチュール・パリジェンヌ）」という学校でした。
そして、その学校で彼の才能が開花します。
デザインコンクールでの成績
イヴは、国際羊毛事務局（IWS）のデザインコンクールの「ドレス部門」の応募作品として、
カクテルドレスを出品します。
そしてそのカクテルドレスが高い評価を受け、最優秀賞を獲得するのです。
これが、彼の才能が世に初めて登場した瞬間だったといえるでしょう。
さらに驚くことに、カクテルドレスの縫製を担当したのは、
有名ブランド「ジバンシィ」の創設者である「ユーベル・ド・ジバンシィ」だったのです。
そういった接点をもったデザイナーたちが、それぞれに活躍し、今では誰もが知っているブランドの創業者となったのは運命だったのかもしれません。
さらに、そのときの同じデザインコンクールで「毛皮部門」を受賞したのは、
のちにシャネルのデザイナーを務めることになる「カール・ラガーフェルド」でした。
このことからも、国際羊毛事務局（IWS）のデザインコンクールは、才能あるデザイナーを輩出した由緒あるデザインコンクールといえるでしょう。
ディオールに才能を認められて後継者に
イヴは才能を認められ、1954年からクリスチャン・ディオールのアシスタントとして働くこととなります。
そして、1957年にディオール本人が死去したあとには、イヴは後継者としてディオールの主任デザイナーとなるのです。
その翌年の1958年には、イヴのディオールで最初のコレクションを発表し、
新聞では「イヴ・サンローランはフランスを救った。偉大なるディオールの伝統は続きます」と書かれるなど、華々しいデビューをかざります。
戦争と病気
しかし、3年後の1960年に、イヴの人生で最大ともいえる悪い出来事が起こります。
アルジェリア戦争のフランス軍への召集が決まるのです。
なぜ芸術の分野で活躍していたイヴが徴兵されなければならなかったのか、と思ってしまいますが、
その理由は、ディオールの当時のオーナー「マルセル・ブサック」が
右翼だったことによるのではないかと言われています。
そして、軍隊内でイヴはいじめを受け、ストレスから精神病院施設に収容され精神病の治療を受けることになります。
イヴはこのときの経験から、生涯を通じてうつや薬物依存に悩まされることとなるのです。
そして、1962年に神経衰弱の完治とともに、イヴ・サン=ローランを設立。
2002年にオートクチュール部門を引退するまで、新しい作品を生み出していきました。
イヴは、2008年にガンが原因で死去しましたが、
現在もイヴの残したイヴ・サン=ローランは「サンローラン」とブランド名を変えて、
世の女性に人気のブランドとなっているのです。
クリスチャン・ディオールとの関係性
クリスチャン・ディオールとイヴサンローランの関係性は、
国際羊毛事務局（IWS）のデザインコンクールに遡ります。
当時、コンクールの審査員であったVOGUEのディレクターが彼の才能を認め、友人のクリスチャン・ディオールへ紹介することにしました。
クリスチャン・ディオールは、紹介されたイヴの才能を認め、
イヴは1954年にクリスチャン・ディオールのアシスタントとなります。
イヴの描く独創的かつ想像力にあふれたデザインは、その後のディオールに強い影響を与えたといわれているのです。
その3年後の1957年には、ディオール本人がブランドのスタッフにイヴの才能について、
「彼は特別な才能です。私は彼に認められたい」とまで言うほど、彼の才能を称賛していました。
ディオールはイヴに対して大きな期待を持っている中で、
同年ディオールが死去したことで、イヴはディオールブランドの主任デザイナーを務めることが決まります。
そのときのイヴはまだ21歳という若さだったのにも関わらず、クリスチャン・ディオールの後継者となったのです。
クリスチャン・ディオールとの出会いが、イヴ・サンローランの才能を生かしたといえるでしょう。
モードの帝王と言われた理由
イヴ・サンローランがモード界の帝王と言われた理由は、
1962年のブランド創立から、2002年の引退までの40年間常に、
時代の最先端でファッション業界をリードしてきた才能にあるといえるでしょう。
イヴは1962年に自身のブランド初のミューズとして、
フランス公爵の娘である、「ルル・ド・ラ・ファレーズ」を迎えたり、
同年には映画『昼顔』で女優カトリーヌ・ドヌーブの衣装をデザインしたりするなど、才能を存分に発揮します。
そして、1970年代後半に差し掛かると、
上流階級やヨーロッパのジェット族（余暇を持て余す有閑階級）に絶大な人気を誇るようになり、
1989年にはパリ証券取引所に株の公開まで行うほどの資産を手にしました。
これは、ファッションブランドとして初の快挙でした。
メイクアップラインの誕生
メイクアップライン「イヴ・サンローラン・ボーテ」の誕生は、
イヴ・サンローランのブランド力をさらに大きくしたといっても過言ではありません。
ブランド設立からファッションに力を入れていたイヴは、
「自分が作った服を着ている女性に顔を与えたい」という考えを持つようになり、
1978年にメイクアップライン「イヴ・サンローラン・ボーテ」を発表することとなります。
ブランド設立の翌年の1979年には、
「ルージュ ピュール No.19」が大ヒットしたことも有名で、
40年経った今でも購入することができるベストセラー商品となっています。
No.19のカラーはピンクに青みが入ったようなカラーが特徴的で、イヴ・サンローラン・ボーテのイメージを確立したといえるでしょう。
ファッション界だけでなく、メイクアップでもイヴは才能を発揮していくのです。
メイク部門のコンセプト
メイク部門のコンセプトは、「独自のカラーで世界を表現し、想像を超えた驚きをもって、個性と革命を女性に与え続けること」です。
それは、イヴがファッションで、「プレタポルテ（既製服）」を取り入れたことと通じています。
プレタポルテの登場で、一般層の女性も自由にファッションを楽しむことができるようになりました。
そして、富裕層しかファッションを楽しむことができないという常識を覆し、
どんな女性でも自由にファッションを楽しむことができるようになったのです。
その思いは、メイクアップに対しても同じで、どんな女性にも美しさを与えたいという彼の思いが伝わってくるコンセプトといえるでしょう。
人気の理由
イヴ・サンローランの人気の理由は、ブランドの表現する「優雅な女性らしさ」にあるのではないでしょうか。
イヴ・サンローランは、高級ブランドとしてオートクチュールからスタートしました。
そのオートクチュールは2002年に終了してしまいましたが、
その高級感をプラタポルテに落とし込む技術が優れていたのではないでしょうか。
既製品であってもオートクチュールのような高級感を楽しむことができるのが、人気の秘密と言えるでしょう。
その技術はメイクアップラインにも活かされていて、
カラーの美しい発色やコスメの優雅な香りは使う人を優雅で特別感のある気持ちにさせてくれます。
コスメの価格帯も手頃で、一般層でも気軽に購入できるのもヒットし続けている秘密といえるでしょう。
人気のアイテム
イヴ・サンローランの人気アイテムとして有名なのが「ルージュ ヴォリュプテシャイン」というリップで、「婚活リップ」と呼ばれています。
なかでも、人気のカラーは4つ。
鮮やかな赤が印象的な「80番チリ チュニック」、
ピンクがかった赤がかわいい「4番ルージュバレー」、
やさしいピンクでモテ色の「14番コライユマラケシュ」、
オレンジで元気な印象を与える16番「オランジュマジュレル」です。
カラーも豊富なので、自分の好みの一色が見つかるはずです。
また、「ルージュ ヴォリュプテ ロックシャイン」ではグリッターが追加されて、
唇がキラキラと輝くのを楽しむことができます。
特に人気のカラーは、トレンドのブラウン系「02番 カカオバウンス」、唇になじみやすいピンク系「10番 ピンクバス」です。
リップはWebで購入すると、名前の刻印を入れてくれるサービスがあるので、友人へのプレゼントにもおすすめです。
スキンケアでは、最近「ピュアショット ナイトセラム」が話題です。
二層式セラムで肌の絶対成分バランスを整えてくれるという美容液で、
その実力から愛用して効果を実感している人も多く、人気アイテムになっています。
限定アイテム
イヴ・サンローラン・ボーテでは、毎シーズン限定アイテムが登場しています。
2020年の限定アイテムとしては、
「ルージュ ヴォリュプテ シャイン コレクター」という
復刻のディープレッド”LOVE SHADES”の限定コレクションが登場しています。
3つの異なるテクスチャーとレッドパイソンの限定パッケージで、
パワフルな印象を与えてくれる、アイコニックな赤リップです。
限定アイテムはそのときにしか手に入れることができないので、見逃さないようにチェックしておきましょう。
YSLはどこで購入できるの？
イヴ・サンローラン・ボーテのアイテムは、
オンラインストアと全国のショップで購入することができます。
近くにお店がなくても、オンラインストアでじっくり選んで購入することができるので便利です。
オンラインだけの限定サービスなども充実していて、
8,800円(税込)以上購入すれば、配送料が無料になるサービスもあり、
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